ブリティッシュボルト、初の本格的なギガファクトリーにビューラーの低炭素型バッテリー混合技術を採用

 

ビューラーグループ(本社 スイス・ウッツヴィル)は、2022年6月7日(現地時間)、電池技術のパイオニアであり、英国初のバッテリー・ギガファクトリーを建設中の英バッテリーメーカー、ブリティッシュボルト(Britishvolt)が電池スラリー製造工程にビューラーの実績ある混合技術を選択したことを発表しました。ブリティッシュボルトの環境、社会、ガバナンス(ESG)の原則とコミットメントに沿い、この技術は95%の廃棄物削減と50%のエネルギー削減を実現します。ブリティッシュボルとの共同プロジェクトは、お客様のために持続可能なソリューションを開発・拡大するというビューラーの戦略を明確に示すものです。

 

年間生産能力20ギガワット時(GWh)のバッテリースラリー工場は、敷地面積の削減とプロセスの効率化により、一戸建て住宅約1,000戸分の年間エネルギー消費量に相当する省エネを実現します。


現在のモビリティシステムから排出されるCO2を削減するためには、電気自動車への移行が前提となります。その実現にバッテリーは重要な役割を果たします。適切なバッテリーがなければ、再生可能エネルギーによる電気自動車への移行を成功させることはできません。

ブリティッシュボルトのグローバル最高執行責任者であるティモン・オルロブ氏は、「バッテリーソリューションは、電化されたゼロエミッションの未来に向けて、社会を導く触媒となるでしょう。信頼できるパートナーを慎重に選ぶことにより、バッテリー製造プロセス全体の二酸化炭素排出量を削減することに重点を置いたサプライチェーンを構築することができます。高度な製造能力を持つ企業を選ぶことで、製造工程での無駄を省き、効率を高めることができます。地域社会への高い関与と開発能力、そして製造技術を共に進化させたいという強い思いを持つビューラーは、ブリティッシュボルトにとって強力なパートナーとなることでしょう」と述べています。

eモビリティが世界的なメガトレンドとなる中、グローバルに明確な目標を掲げるブリティッシュボルトは、新しい生産能力の構築に多額の投資を行っています。ビューラーグループは、バッテリー性能を向上させるとともに、バッテリー生産をより効率的かつ持続可能にするソリューションで業界をサポートしていきます。

 

持続可能なビューラーの混合技術を初めて導入するブリティッシュボルト工場


ブリティッシュボルトが英国ノーサンバーランドに建設する最初のギガファクトリーに、ビューラーはまず、第一段階として生産能力4.8GWhの電極スラリー製造用大規模生産ラインをします。10年後には生産能力を38GWhに拡張する予定で、これは30万台超の電気自動車に相当する規模となります。

 

電極スラリーは、高性能なバッテリーを製造するための重要な要素です。その品質は最新のリチウムイオンバッテリーの性能にとって極めて重要です。ビューラーは投資コストと運用コストを60%削減し、バッテリー性能を向上させる画期的な電極スラリーの連続混合プロセスを開発しました。この連続プロセスにより、英国のバッテリーメーカーは、ノーサンバーランドに建設する生産設備にビューラーの混合ソリューションを選択しました。


従来のバッチ方式による電極スラリーの大量製造は数時間かかりますが、連続混合プロセスであれば装置内滞留時間はわずか数分間です。「私たちは2軸ミキサーを使い、予備混合、均質化、分散、脱気などスラリー加工に必要な一連の工程を単一の連続運転ユニットで行います」と、ビューラーのバッテリーソリューション・マーケットディレクターであるアドリアン・スピルマンは説明します。エネルギー消費および廃棄物の削減と、高いバッテリースラリー品質がビューラーの連続混合システムの大きな利点です。起動・停止が短時間に行え、手動調整を必要とせず、インラインプロセス制御により、原料ロスを95%削減することができます。

 

オルロブ氏は、次のように付け加えます。「eモビリティをより身近なものにするためには、高性能バッテリーの生産コストを削減し、その生産をより持続可能なものにする必要があります。ビューラーの技術は、高性能バッテリーをより効率よく持続的に生産し、バッテリー技術をさらに発展させるための基盤となるものです」

 

ブリティッシュボルトの第1期生産ラインとその拡張は、それぞれ2023年9月と2024年春に立ち上げ・稼働を予定しています。ギガファクトリーの建設は、ノーサンバーランド州と英国にとって大きな後押しとなり、約3,000人の直接雇用と、関連するサプライチェーンでさらに5,000人以上の雇用を創出します。

 

スピルマンはこう語ります。「投資拡大と危機感のおかげで、イノベーションとコラボレーションがこれまでにない規模で起こっています。私たちは連続混合技術を使い、実証された持続可能で費用対効果の高いソリューションをお客様に提供し、お客様が生産能力を増強し、需要増に対応できるようにします」

 

アジアから欧州に広がるサクセスストーリー

 

ブリティッシュボルトの新工場へのライン導入は、ビューラーにとって大きな一歩です。長年の開発と研究開発への投資を経て、ビューラーは10年以上前にバッテリーソリューション事業部を設立しました。2017年には、中国でビューラーの技術を採用した最初の生産工場が設立され、バッテリースラリーの工業生産におけるマイルストーンが達成されました。ビューラーは現在までに全世界で50件以上の電極スラリー連続混合システムを受注しており、その半数以上が大規模プラント向けです。すでに40ライン以上が稼動しています。

 

ビューラーの混合ソリューションは汎用性が非常に高く、あらゆるリチウムイオン技術の要件に適合することができます。eモビリティに加え、太陽光、風力、水力発電による再生可能エネルギーの定置用蓄電池も必要とされています。

 

本リリースは、2022年6月7日(現地時間)にBühler AG(スイス・ウッツヴィル)が発表したプレスリリースの抄訳です。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については原文が優先します。プレスリリース原文および関連資料はこちらをご覧ください(英文)。

   

組織

第五世代に受け継がれたスイスの家族経営企業であるビューラーとその経営陣は、信頼、尊敬、持続可能性といった価値観を重視しています。

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